視察レポート(2009年10月15日)

江戸川区すくすくスクール視察報告書

日付:2009年10月15日(木)
場所:江戸川区立第二葛西小学校
担当者:
江戸川区教育委員会事務局 教育推進課 係長・後藤隆氏
江戸川区青少年育成葛西第二地区委員会 委員長・清宮高義氏
江戸川区立第二葛西小学校 校長・小林正明氏

目的

今や教育の分野においても欠かせなくなっている地域の力。

鎌倉市においてはすでに各校で登下校の見守りなどが実施されとおり、総合授業での講師役、部活指導員などでボランティアの方が活動する場所があるものの、場所自体は限定されており、またやはり一般的には間口が狭く感じられるのが課題だ。

いかに地域の人が入りやすい体制にするのか(児童の安全も確保しながら)、また今からボランティア精神を醸成できる仕組みづくりも着手し、将来に備える必要がある。

昨年度実施された全国自治体子育て施策シンポジウムで江戸川区のすくすくスクールの取り組みがそういった課題に対して一つの解を提供する取り組みと理解しており、このたび視察の機会を得た。

江戸川区すくすくスクール事業概要

  • 放課後等の学校施設を有効活用し、地域・学校・保護者の連携により子どもを育む。
  • 学童クラブ機能を包括する。
  • 全校実施で、一般登録と学童クラブ登録とわかれている。定員がない。
  • 学童施設への待機児童解消策といった側面をもちながら、出発点は子どもの健全育成という視点を保持する。
  • だからこそ、地域全体で子どもを育てるという考え方が根底にあり、地域の教育力の向上を目指す→地域の教育力とは子どもと地域が顔を見える付き合いをまず目指す。
  • 基本的にはスタッフの見守りの中、サッカー、ドッジボールなど身体を動かすものや、学習、工作、読書といった静かな活動などを自分たちで考えながら行う。
  • 各校にひとつずつ専用の教室がある(ランドセル置き場、出欠の確認・スタッフ常駐・利・用教室の確認場所などの機能を持つ)。
  • イベントとして地域・保護者が行うラクロス、ユニホック、踊り、太鼓、琴などのスポーツ活動、文化活動がある。(ここで地域のカラーが出る)
  • 年一回スクールサミットで取り組みを紹介しあう。
  • 運営 マネージャーは各校にひとり設置される。
    サブマネージャー、プレイングパートナーは区の常勤・非常勤・臨時職員で構成されるサポートセンターが地域で組織される各校ひとつずつ組織される支援組織。

現在の取り組みに対する質問事項など

それまで利用していた学童施設は?
→ かなり大きな行政財産となり、他事業への転用が図られた。相談室・倉庫・保育園など

特別な支援が必要な児童への対応は?
→ 特別支援学級・学校・ろう学校の児童も利用しているが、今後数が増大すると見込まれる中、大きな課題となっている。介助員が通常の学級ではいても、このすくすくスクールでの配置は難しい。

23年度から本格実施される新指導要領下では授業時間が増大するが、実施時間の延長などは検討するのか?
→ 冬季なども考えると、延長は難しく、現行どおりとなるであろう。5時以降はファミリーサポートなどで対応してもらう。

利点・課題

  • 学童保育への待機児童の解消が図られる⇔しかし保護者からは専門施設がほしいとの声。
  • 実現の場合学童施設の他目的利用が可能(青少年会館など)。
  • 放課後の学校利用で移動がなく児童の安全確保⇔学校の理解促進が欠かせない。
  • 学童の場合は時間が5時までだと厳しい。
  • 各校一室確保が必須。
  • 地域と学校を結ぶマネージャー役の確保(地域の顔役の方・地域から人材を募れる方)。
  • 空き教室といった限定した表現ではなく、学校をまるごと放課後利用するといった考え方により、今後整備が必要とされる子どもの家などに対して建設費用の節減といった観点からも考えて欲しい取り組み。
  • 稲村が崎の取り組みはすでに3年目を迎えている。蓄積されたノウハウはなんらかの形で活用できないか。
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