視察レポート(2005年08月)

行政経営と指定管理者制度
第2回年政策研究交流会

日付:2005年8月5日
場所:日本都市センター会館
主催者:財団法人日本都市センター

参加のねらい

平成15年6月の地方自治法改正によって、民間事業者も「公の施設」の管理をすることが可能となった。鎌倉市でも今年度より指定管理者制度が導入されることとなった。各自治体も現在同時期に導入を図る団体が多く、先進事例は貴重なものとなる。これら先進事例により、制度導入・運営にあたっての注意事項などを学ぶ。

内容

  • 「北九州市における指定管理者制度について」
    井上 隆氏 ((株)井筒屋小倉物語推進部)
    主に指定管理者となった、民間業者から、管理者となるまでのいきさつ、また運営方法現況などについて報告がなされた。
  • 「上越市の指定管理者制度の取り組みについて」
    中沢正人氏 (上越市総務部部長)
    合併における施設数の現状、施設設置条例改正の詳細、導入効果、今後の課題についての報告など
  • 「都市行政評価ネットワーク会議構想について」
    澤井 安勇氏 (総合研究開発機構理事等)
    自治体における行政評価導入の現状と課題について。また評価指標、ベンチマーク設定についてのモデルについて説明。評価ネットワーク会議の紹介。

所感

民間業者サイドから見た指定管理者制度の実態、というか運営方法についての報告が大変興味深かった。管理者となっている井筒屋は同時に町づくりを考える会や、青年向けのむらい塾なども開催する業者であり、利益第一ではなく、北九州市の町おこしもメインに捉えられる(もちろんその利益が同社に還元されるという向きもあろうが)業者であり、こういった業者をいかに管理者として取り込めるかは、施設の性格にもよるが、大変重要なこととなると感じた。

またその施設管理にあたっては地元企業の活用を図り、地域企業連携を体現している。

同社が述べる、管理者となる場合の留意点・課題とは、優秀な人材の確保・前経営母体からの友好的な業務の引継ぎ、行政と民間との役割分担を明確化した契約書の締結、収入・経費の中身の精査、市のバックアップ体制、市の窓口の一本化などが挙げられており、鎌倉市においても点検すべき項目である。

また、公の施設を行政ではなく、民間が行うということについて、市民の理解が十分得られるよう周知を図ることも同時に行うべきと感じた。

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